フィリピンニュース/イメージ画像

野球の架け橋が語るフィリピン野球の現状

記事の概要

アジアでは日本、韓国、台湾を除くと野球の普及は進んでおらず、競技レベルも低い。そんな中でフィリピンだけは異色の存在であり、戦前はむしろ日本より強いと呼ばれた時代もあった。

そんなフィリピンでの野球について、日本で生まれ育ち野球をし、中学の頃にフィリピンに転校し、現在でもマニラの大学で野球を続けるフィリピン人の男性に話を聞いた。

元の記事を読む→ 【2013年12月25日:Baseball Journal

フィリピンではマイナーな野球

フィリピンの野球が戦前は日本より強かったとは初耳です。思わず、ウソでしょ~w、って言ってしまいたくなるほど、この国で野球という競技の存在感は薄いです。

マニラの野球場

マニラの中心部に複合スポーツ施設があって、その中に野球場があるのですが、お客さんがたくさん入ってるところなんて見たことがありません。それ以前に、たま~にしか野球してません。

ですが、調べてみたらこの野球場、1934年にできたものでした。他のアジアの国と違ってフィリピンの野球が長い歴史を持つことは間違いないようです。

やはり人気はバスケットボール

フィリピンで早い時期に野球が広まったのはアメリカの影響で間違いないでしょう。米西戦争に勝利しアメリカがスペインからフィリピンを引き継いだのが1898年。英語やコカコーラやジャンクフードなど、良いもの、悪いもの、とんでもないものとアメリカ様がフィリピンにいろいろ持ち込んでくれましたが、野球もその一つだったってことでしょう。

しかし、今のフィリピンで人気のスポーツといえば圧倒的にバスケットボールです。空港やバスターミナルの待合室のテレビで流れているのは決まってNBAの試合です。野球のやの字もありません。同じアメリカルーツのスポーツなのに、なぜこんなに差が付いたのか? それは貧しさゆえではないでしょうか。

フィリピンのバスケットボール

バスケットボールってお金がかからないスポーツですよね。ボールとゴールだけでOK。僕が住んでいる近所のバランガイ(集落、フィリピンの最少行政単位)でも、ダンクシュート決めたら確実に倒壊しそうなお手製のゴールを使って、子どもたちが裸足でバスケに興じています。

これに対して野球をしようと思うと、バットとかグローブとかを買い揃えないといけません。少なくともグローブを一つ必ず買わないといけない。でもバスケならそこにボールが一つあれば、自分がボールを持ってなくてもできますもんね。

ブラジルやアルゼンチンのスラムでサッカーが流行ったのと、フィリピンでバスケットボールが人気なのと、結局のところ理由は貧困といえるのではないでしょうか。

フィリピンの野球をお手伝いしては?

さて、元記事の中で日本出身のフィリピン人大学野球選手が、日本からも技術指導などをして欲しいと言っています。僕としてはこれは大賛成で、ぜひ進めるべきだと思います。

日本人がフィリピンで野球の指導をしてあげたら、少なくとも選手と選手の関係者、さらにその友人知人たちの間で日本の印象が良くなるのは間違いないですし、フィリピン人の中からメジャー選手でも誕生した日には、フィリピン人の日本に対する印象が激アップすることまちがいなしです。

引退したプロ野球の選手の中で、技術はあるけど芽が出なかった若手とか、教え方に定評があるベテランとか、国が給料払ってフィリピンに派遣してやっても良いんじゃないですかね? フィリピンだったら安月給でも食っていけるし。笑

たかが野球と思うかもしれませんが、文化面の外交努力って必要だと思います。今年YouTubeで一番再生された日本の歌手がきゃりーぱみゅぱみゅだったそうですが、見てみると感想を書き込んでる人の半分以上は外国人でした。「Kawaii~」とか書き込み多かったです。

世界中の国で日本のファンを増やす。政府が反日的な動きをした時に待ったをかける国民を増やす。そういう意味では、ここ数年の外務大臣より、ぱみゅぱみゅのほうがよっぽどお国のためになってます。フィリピンで野球の普及に一役買うのも、きっと日本国の国益につながるのではないでしょうか。